鍛造と鋳造。ゴルフクラブの世界を分けるふたつの製法
ウェッジやアイアンのヘッドづくりには、大きく分けて「鍛造(たんぞう)」と「鋳造(ちゅうぞう)」という2つの方法があります。
鋳造は、溶かした金属を型に流し込んで固める方法。複雑な形状を作りやすく、量産に向いています。
一方の鍛造は、熱した金属の塊をハンマーやプレスで叩いて、少しずつ形を作っていく方法です。手間はかかりますが、金属そのものの密度や組織を活かせる製法として知られています。

鍛造という技術
叩いて、鍛えて、かたちにする
鍛造は、金属を高温で熱し、ハンマーやプレスで何度も打ち伸ばしながら成形していく製法です。
この「叩く」という工程によって、金属内部の組織が締まり、密度のムラが少ない状態に整えられていくといわれています。溶かして型に流し込むだけの鋳造に比べ、手間も時間もかかる分、金属そのものの持ち味を引き出しやすい製法として、古くから刃物や工具づくりにも用いられてきました。

産地の話
兵庫県市川町という、ゴルフクラブの町
兵庫県市川町は、ゴルフクラブヘッドの生産地として全国的に知られる地域です。金属加工の技術が古くから根づき、鍛造や研磨といった工程を専門とする職人が数多く活動してきました。
一本のヘッドが完成するまでには、熱する、叩く、削る、磨くといった工程を、それぞれの専門職人が積み重ねていきます。東邦ゴルフの軟鉄鍛造クラブも、こうした市川町の金属加工技術を土台に作られています。
「軟鉄」は、なぜやわらかいと呼ばれるのか
軟鉄とは、炭素の含有量が少ない、やわらかく加工しやすい鉄のことを指します。
硬すぎる金属は割れやすく、細かい打ち込み作業には向きません。
やわらかい性質を持つ軟鉄だからこそ、ハンマーやプレスで何度も打ち伸ばす鍛造という製法に適しており、完成後の微調整も可能になります。
ウェッジやパターに軟鉄鍛造が使われる理由は、この「やわらかさ」にあるといえます。
もう少しだけ
鍛造クラブについて、よくある質問
優劣というより、目的が異なる製法です。鍛造は打感や微調整のしやすさに強みがあり、鋳造は複雑な形状を再現しやすいという特徴があります。ご自身が何を重視するかで選ぶのがおすすめです。
使用後は水分や汚れを拭き取っていただくなど、金属クラブ全般に共通するお手入れで問題ありません。特別な手入れが必要というわけではありません。
製法の違いはクラブの特性に関わるものであり、使用者のレベルを限定するものではありません。ご自身の好みや打感の相性で選んでいただけます。










